
言語や文化の壁を超え、世界中のユーザーが迷わずに操作できる「共通言語」としてのデザインシステムを構築しました。国内外の多様なステークホルダーが関わるMaaSプラットフォーム開発において、Figmaを中核に据えたデザイン基盤を整備。開発スピードの劇的な向上だけでなく、ユーザーが移動体験そのものに没入できるシームレスなUI/UXを実現し、スマートモビリティの未来をデザインで具現化したプロジェクトです。
MaaS(Mobility as a Service)は、複数の交通手段を統合し、シームレスな移動体験を提供する事業領域です。グローバル展開を前提とするMaaSプロダクトでは、こんな課題が複合的に絡み合います。
「各国の交通事情、規制、言語、文化が異なり、UIを地域ごとに作り込むと莫大な工数がかかる」 「国内外の開発チーム、デザインチーム、ビジネスチームが関わり、コミュニケーションコストが膨大」 「ユーザーは外国人観光客から地元住民まで多様で、誰にとっても直感的なUIが求められる」 「機能追加のたびに各地域版で個別実装が必要となり、開発スピードが落ちていく」
これらの課題に共通するのは、「グローバル展開を前提としたデザイン基盤がない」ことです。一般的なデザインシステムは単一市場を想定して作られるため、グローバルMaaSのような複雑な要件には対応しきれません。
本プロジェクトでは、国境と文化を越えて機能するグローバル・デザインシステムの構築を、ゼロから設計するアプローチでご支援しました。
1. グローバル要件の構造分析
最初に取り組んだのは、各地域の要件を構造的に整理することでした。言語、文字方向、地域固有の規制表示、文化的な色やアイコンの解釈、決済手段、地図表現の違い——地域ごとに何が同じで、何が異なるのかを網羅的にマッピングしました。
この分析を基に、「共通化できる部分」と「地域カスタマイズが必要な部分」を構造的に切り分け、デザインシステム全体のアーキテクチャを設計しました。
2. Figmaを中核としたデザイン基盤の構築
Figmaの機能を最大限活用し、多言語・多地域に展開できるコンポーネント設計を実現しました。Variables機能で地域ごとの色・テキスト・サイズを一元管理し、Components機能で再利用可能な基本要素を体系化。Variants機能で状態違い・地域違いを一つのコンポーネント内で管理し、Auto Layoutでテキスト長の伸縮や文字方向の変更に自動対応する設計です。
これらを組み合わせることで、一つのデザインソースから、すべての地域版が生成できる基盤を構築しました。
3. 「直感」を設計するUI/UX
MaaSプロダクトの本質は、ユーザーが操作方法を考えずに移動体験に集中できることです。これを実現するため、文化や言語に依存しないユニバーサルな直感性を追求しました。
ピクトグラムの設計、ジェスチャーの統一、情報階層の整理、アニメーションのトーン——「言葉を読まなくても理解できる」UIを、すべての画面で徹底しました。世界中のどの空港、どの都市でも、ユーザーが迷わず使える状態を目指しました。
4. 開発チームとの連携体制
デザインシステムは、開発チームが運用してこそ価値を生みます。Figma上のコンポーネント命名規則、デザイントークンの定義、Storybookとの連携方針、ドキュメント整備——エンジニアが迷わず実装できる体制を構築しました。
国内外の開発チームと密に対話を重ね、運用に耐えうる現実的なシステムとして作り上げました。
5. グローバルチームとの協働ファシリテーション
国内外の多様なステークホルダーが関わるプロジェクトでは、デザインそのもの以上に、コミュニケーション設計が成否を分けます。
時差、言語、文化的な意思決定スタイルの違いを踏まえたファシリテーションを実施。「全員が同じ絵を見ながら議論できる」状態をデザインドキュメントとして整備し、グローバルチームの協働を加速させました。
グローバル全地域で一貫したユーザー体験を実現
機能追加時の地域別実装工数を大幅に削減
ブランドアイデンティティの統一により、プロダクト価値の向上
デザインシステムが社内資産として継続運用される基盤を構築
言語や文化を越えたユニバーサルなUI/UXの実現
「優れたデザインシステムは、文化を超える共通言語になる。それは単なる効率化ツールではなく、グローバルプロダクトの哲学を体現するものである。」
グローバルプロダクトのデザインシステム構築では、設計の美しさよりも運用に耐えうる現実性が問われます。理想的なシステムを描いても、現場の開発フローと噛み合わなければ、半年後には誰も使わないドキュメントになってしまいます。
Desiaが本プロジェクトで重視したのは、「クライアントの開発チームが、Desiaがいなくなった後も自走できるか」という一点でした。そのために、設計フェーズから現場のエンジニアと密に対話し、運用ルールやドキュメントを共に作り上げました。
そしてもう一つ重視したのが、「文化を越える共通言語」としてのデザインシステムという思想でした。日本のユーザーも、ヨーロッパのユーザーも、東南アジアのユーザーも、同じプロダクトを使って同じ感動を体験できる——これがグローバルMaaSが目指す未来であり、デザインシステムはその実現を支える哲学的な装置でもあります。
スマートモビリティが世界をシームレスにつなぐ時代に、デザインができる貢献は何か。本プロジェクトは、その問いに対する一つの実例となりました。
「グローバル展開を始めたいが、UIの一貫性をどう保つか悩んでいる」 「複数プロダクト・多地域でデザインがバラバラになっており、統合したい」 「デザインシステムを構築したいが、自社だけでは設計しきれない」 「国内外の開発チームとデザインチームの連携を、デザイン基盤から強化したい」 「MaaS、グローバルSaaSなど、複雑な要件のプロダクトに対応できるパートナーを探している」
こうしたご相談をお持ちでしたら、お気軽にお問い合わせください。プロジェクトの初期フェーズから、貴社のプロダクト特性に最適なグローバル・デザインシステムの設計をご支援します。
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